2007年02月12日(月)
先日ご紹介しました日本人の主食「米」をテーマにした健康講座が9日、京都学園大学バイオ環境館で行われ、京都の名料亭「吉兆」嵐山本店の徳岡邦夫総料理長を迎えて、多くの農業関係者や市民、学生ら60名ほどが参加し、米と健康のつながりの深さを学びました。
これは京都学園大学が主催したもので、米が健康な身体づくりに与える影響などを再認識するのがねらいで、米と日本文化・農業環境における課題や問題意識を亀岡地域の伝統文化や現代の食事情を探りながら浮かび上がらせ、日本人の生活や生き方へのヒントとなることに気づきながら、その可能性と創造性を引き出すために行われました。
当日はまず、バイオ環境学部の關谷次郎学部長が、米と日本人の深い関係を講演。水田での稲作が日本の風土に適していることや米の持つ素晴らしい栄養価、米と和食のおかずによる食事が血糖値の急激な変化を抑制する効果があることなどを紹介。その後、徳岡総料理長が米のおいしい炊き方を紹介。亀岡産の米と吉兆で使用している米の食べくらべをしながら、吉兆ならではの米へのこだわりについてふれました。
徳岡総料理長は講演の中で「吉兆では素材を重視し、全国各地から最良の食材を揃えています。良い食材を丹精込めて調理することでお客様を満足させたいと日々努力しています」と話し、名店の名店たる所以を垣間見せてくれました。また、現代社会の中で農業を志す後継者が減っていることにもふれ、「日本人にとって大切な農耕文化を守らないといけない」と後継者不足の進行する農業への危惧も示していました。
講座の中では、京都学園大学卒業の同窓生で亀岡市内で精米工場を営む中野恵二さんが、亀岡の風土が稲作に向いていることを紹介する場面もあり、日本人にとって欠かすことのできない「米」の素晴らしさを再認識しました。昨今の「健康ブーム」により、欧米の食文化に傾きかけていた和食文化が見直されている中で、それらを担う農業が蔑まれ、後継者不足に嘆いている現状に一石を投じるうえでも有意義な講座となりました。
今回講師としてお越しいただいた「京都吉兆」嵐山本店総料理長、徳岡邦夫さんは2月22日に初の著書「春の食卓」を発売します。吉兆の味と技を、家庭の食卓に。どうしたら、旬の食材を、健康においしくいただけるのか。舌で考え、技で磨く。そんなヒントが満載の絶品の家庭料理です。大手書店などで販売。価格は1,575円。下記に関連リンクとしてご紹介させていただきますので、ご興味のある方は是非どうぞ!
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